アリババとレンディングクラブが提携。ECが融資型クラウドファンディングを必要とする理由


dtl_150223_ph001

アリババに出店する事業者に最大30万ドルの融資

中国最大のBtoB電子商取引(Eコマース)、アリババ・グループ・ホールディングは米クラウドファンディングのレンディングクラブと融資事業で提携すると明らかにした。

ブルームバーグによると、レンディングクラブは今後、アリババのサイトで製品を購入する米中小企業に向けて融資を行う。これまでこの業務は中国銀行が担っていたが、アリババは取引拡大をねらい、中国銀行の半分の利子で融資サービスを提供できるレンディングクラブに変更した。Eコマースとクラウドファンディングの新興業界の2社の今回の提携を、日本クラウド証券代表取締役社長の大前和徳氏はどう見ているのだろうか。お話を伺った。

ブルームバーグの発表によると、レンディングクラブはアリババ・ドット・コムで中国の業者から商品を購入する米企業に対し最大30万ドル(約3500万円)の融資を提供するという。クラウドファンディングといえば、融資を求める中小企業と、投資リターンを求める投資家のマッチングサイトのイメージだ。今回、アリババと提携することになったレンディングクラブはどのような企業なのだろうか。また、レンディングクラブは、アリババのさまざまな取引先に融資できる体力を持っているのだろうか。

レンディングクラブとは

「レンディングクラブは2014年12月時点で、6000億円くらいの融資をしています。クラウドファンディングというとサイト上で個人から資金を募るというイメージですが、レンディングクラブは機関投資家との取引も多く、融資額の8割くらいを銀行や保険会社などの機関投資家から集めてきました。ですので、同社は潤沢な資金を集めることができ、企業が資金調達をしようとしても、プラットフォームで十分な資金が集まらず融資をうけられなかったというようなリスクを回避できます。また同社は融資対象それぞれを事前審査して、Aグレード、Bグレード、Cグレードというように投資リスクを格付けしています。そして投資家にこうした情報を提供して、投資対象を選んでもらうスタイルを採っています。レンディングクラブから客観的な格付け情報が事前に開示されるため、投資家は資金拠出の判断が下しやすいのです」。

「またレンディングクラブは個人向け融資についても、こうしたシステム化された手法を使っています。個人の信用履歴などを厳密に調査し格付けを行い、格付け情報を投資家に提供し、資金を調達しています」。

レンディングクラブは昨年12月にIPO(新規株式公開)を行い、多くの注目を集めることになった。さらにアリババと融資事業提携を結んだことで、さらに事業に弾みをつけた格好だ。大前氏はこれについて、「非常によい循環である」と指摘した上で、クラウドファンディング事業に従事する日本クラウド証券にとっても非常に学べるところが多いと述べる。

「アリババとレンディングクラブの提携の一件で、大きな額を拠出できる投資家からの資金を安定的に調達できるような仕組みづくりを行いたいと思っています。同時にその大きな資金を継続的かつ安定的に運用できる投資先を開拓していく必要もあると感じています」。

では融資型クラウドファンディングを提供する日本クラウド証券にとって、注目する分野はどこなのか。大前氏は「Eコマースに出店する法人・個人」がひとつであると分析している。

インターネットショップの資金需要は増加中

「アリババやアマゾンや楽天などのEコマース関連企業が自社オンライン店舗に融資などの金融サービスを提供するファイナンス事業が最近、トレンドになっています。無数の店舗が早く効率的に資金を仕入れ次のビジネスにつなげたいと考えています。このようなインターネットショップの資金需要は増えており、商流を押さえているEコマースのプラットフォーム企業が、その商流におけるお金の流れを見ながら、ファイナンスサービスを提供しており、そこに新しいビジネスチャンスが生まれています。実際に私たちもEコマースに出店している事業主からの資金調達の問い合わせが来ています。今後、そうした事業主たちに幅広いサービスを提供していきたいと思っています」。

取材先:日本クラウド証券代表取締役社長 大前和徳氏
記事作成:ライター 藤川健太郎


Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>