ここ1年で、国内残高が2兆円規模に急増!急成長する「ラップ口座」の人気の理由とは?


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個人顧客が証券会社や信託銀行と投資一任契約を結び、資金の運用から管理まで任せることのできる「ラップ口座」。
リスクの許容度に応じた金融商品(株や証券など)の売買をはじめ、資産運用のアドバイスや口座管理など総合的なサービスを含むことから、「WRAP(包む)」という名称で呼ばれている。

そんなラップ口座の国内残高が、ここ1年で急激な伸びを見せている。
主力金融各社の試算によると、2014年8月末の契約資産残高は計1兆9000億円前後に達し、9月には2兆円を突破する見込みとのこと。昨年同月末の約1兆円からわずか1年で倍増し、契約件数もほぼ2倍の10万件を超えたという。
ちなみに2兆円といえば、全国に約260万台あるドリンク自販機の市場に匹敵するビッグな金額。なぜラップ口座がここまで急成長し、多大な支持を集めているのか……。

その仕組みや背景について、日本クラウド証券 代表取締役社長の大前に聞いた。

資産運用は「貯蓄」から「投資」へ

「通常の株式や投資信託の取引には一商品の売買ごとに手数料がかかりますが、ラップ口座の場合、顧客は預ける資産残高に応じて手数料を支払います。この手数料には資産運用のコンサルティング料、各種金融商品の売買にかかる手数料、口座管理料などが一括して含まれています。さまざまな資産を組み合わせて、金融の専門家にまとめて運用を任せられる点が、多くの投資家に支持される理由の一つでしょう」

急成長の背景には「アベノミクス」による株高やデフレ脱却へのアプローチなど、社会的な経済動向も影響しているのでは?

「確かにそうした社会背景や超低金利時代の流れを受けて、自分の資産を「貯蓄(貯金)」から「投資」へまわそうと考える人は確実に増えています。つまり、これまであまり身近ではなかった「投資」へのニーズが、一般の人たちにも広まってきているということです。特にここ近年、第一次ベビーブームの時期に生まれた団塊の世代の人たちが次々と定年を迎え、退職金などを積極的に運用しようと目を向け始めたことは大きいと思います」

300万円からの新商品も⁉ 小口化が進むラップ口座

ラップ口座はごく一部の富裕層に向けたハイソな商品という印象があるが、

「2004年4月に証券会社が先行してサービスを開始したラップ口座は、当初、最低投資金額が3億円~5000万円とかなりハードルの高い商品でした。しかし、近年は大手銀行などの市場参入が相次ぎ、投資家層のすそ野や間口が徐々に広がってきています。

単価は小さくても、より多くの顧客を中長期的に確保したいという金融機関の意識も高まっており、現在では野村証券と三井住友信託銀行では500万円~、大和証券では300万円~と最低投資金額が大幅に引き下げられ、各社ごとにサービスの内容も多様化しています。

ラップ口座のハードルが低くなり、幅広い顧客層と金融機関双方のニーズに応える商品へと進化したことが、資産残高や契約件数の急増につながっていると考えられます」

これからラップ口座を開きたいという人へのアドバイスを。

「投資による資産運用を行うラップ口座はリスクが生じることもありますし、その金融機関がどのような運用成果を出しているか、手数料は適正かなどを見極めることは必要です。当然ながら投資金額3億円と300万円の契約では、サービスの質やリターンの額も異なってきます。

とはいっても、自分で一つずつ商品を選ぶアラカルトメニューではなく、プロがコースメニューやセットメニューを組んでリスクを最小限に抑え、小口でも比較的安定的な利回りを期待できるのがラップ口座の最大の魅力。『大儲けできなくても、長期的に安定して資産運用したい』という日本人の資質に合っている金融サービスと言えるのではないでしょうか」

富裕層だけでなく、いまや一般の私たちにも無縁ではなくなった投資の世界。
自分の資産を有効活用したいという方はもちろん、これまで投資経験のないビギナーの方も、ぜひこの機会にラップ口座を一考してみてはどうだろう。

インタビュー先:日本クラウド証券 代表取締役社長 大前和則

記事作成:ライター 菱沼真理奈

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