みんなの株式 & クラウドバンク 資産運用セミナー レポート


minkabu

クラウドバンクが定期的に開催している「クラウドバンクを活用した資産運用セミナー」。今回は、金融投資情報サイト『みんなの株式』(みんかぶ)とのコラボレーションで東京六本木ヒルズ49階アカデミーヒルズにて開催された。

みんかぶが発行している個人投資家向けの電子新聞『株式経済新聞』の編集長・冨田 康夫氏による『今後の株式市場・マーケットについての展望』と、日本クラウド証券 代表取締役の大前和徳氏による『資産運用と社会貢献を両立するクラウドファンディングのご紹介』の2部構成。

さらに、セミナー直前の5月23日に国会にて金融商品取引法の改正が成立したこともあり、急きょ株式型クラウドファンディングもテーマに加えられた。

 

日本株式市場の展望と、注目の個別株式

最初に登壇したのは、『日刊株式経済新聞』の富田編集長。今後のマーケットの動きを占うポイントやマーケットが動くタイミングについて、富田編集長の見解が紹介された。日銀の追加緩和の有無、為替の動向、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用方針変更、法人税減税が与えるインパクト等が取り上げられ、それぞれについて株式市場への影響という観点で一つ一つ詳細な説明があった。

注目の個別株については、7銘柄を例に挙げて注目されるポイントを解説。参加者が熱心にメモを取る姿が見受けられた。
後半に登壇したのは日本クラウド証券代表の大前氏。クラウドファンディングの全体像と、クラウドバンクで取扱いしている「貸付型クラウドファンディング」、また数日前に国会にて成立した「株式型クラウドファンディング」についてのプレゼンテーションがあった。

DSC_0016_efc

世界全体では「貸付型クラウドファンディング」のシェアが約40%

まず、大前氏から日本での資産運用の現状と、クラウドファンディングの潮流について説明があった。

「クラウドファンディングというと、アメリカのKickstarterのような購入型クラウドファンディングや、iPS細胞の山中教授が資金調達をした寄付型クラウドファンディングのイメージが強いのですが、実は、金額ベースで世界のシェアを見ると「貸付型」がトップ(41%)なのです。」

金融商品として利益を追求しつつ、社会貢献にもなる「貸付型」は、一般的に高利回りを目指すものが多いとのこと。クラウドバンクは貸付型の商品を提供しているが、クラウドバンクの顧客も、まとまったお金を投資する投資家が増えてきているようだ。

(各類型の詳細についてはこちらの記事を参照)

DSC_00162_efc

約5%(税引き前)の目標利回り。なぜその利回りで提供できるのか?

日本クラウド証券はクラウドバンクという貸付型クラウドファンディングサービスを提供している。サイトには様々なファンドがあり、平均目標利回りは約5%程度とのこと。

商品説明を見て、「5%の目標利回りなんて、どうやって実現するんだ」と、わざわざ電話で問い合わせをしてくる顧客もいるという。

大前氏曰く、「実は、世の中には投資金額の規模さえあれば、好条件で運用できる投資先がたくさん存在します。貸付型のクラウドファンディングは、たくさんの投資家の小口の資金をまとめて大口化することで、資産家や機関投資家でしかアクセスできない好条件の投資案件への扉を開くことができる商品なのです。」

金融機関が既存の審査基準ではなかなか融資しない案件も多数存在する。それを一つ一つ吟味し、返済が行われる可能性がきわめて高い個別の案件を見つけ出し、担保の確保等の安全性を加味したうえで、商品として提供しているとのこと。講演の中では、クラウドバンクの提供している「新興国マイクロファイナンスファンド」や、「不動産担保型ローンファンド」「中小企業支援型ローンファンド」の3商品について、クラウドバンクがどのような審査基準やスキームを構築しているか、詳細に説明がなされた。

なお、インターネットのみの販売のため、店舗や営業マンの維持コストがかからない点も高い利回りを目指せる理由のようだ。

DSC_0029

今注目の「株式型クラウドファンディング」のスキームについて

いわゆる「株式型クラウドファンディング」は、5月23日に参院本会議で成立した「金融商品取引法等の一部を改正する法律(改正法)」に示された新しいスキームであり、インターネット経由で企業や団体が小口集金できるクラウドファンディングについて、株式を出資者に分配するエンジェル投資に近い「投資型」についての規制緩和である。このスキームについて大前代表より詳細な説明がなされた。

株式型クラウドファンディングの詳しいスキームはこちらの記事を参照。

現在、参入に名乗りを上げているのは日本クラウド証券のみであり、大前氏は日本証券業協会主催のワーキンググループにも参加していることから、参加者からは株式型クラウドファンディングについての詳細な質問も見受けられた。 以下に質疑応答の内容を紹介する。

 

出資額1人当たり1社50万円(年間)という縛りについて

今回成立した改正法においては、出資額について「1人当たり1社50万円(年間)」という縛りがあり、質問者はこの点について「少なすぎるのではないか」と感じており、規制の背景と今後の見通しについて質問があった。

大前氏によると、金融庁は「ベンチャー活性化」の理念と「顧客保護」の二つの相反する要素を考慮してこの条件を設定したとのこと。

「このような上限ができた背景には、『広くあまねく出資を募り経済の発展に役立てたい』という金融庁の理念と、一方で『詐欺行為への懸念から出資金額を絞りたい』という現実面でのせめぎあいがあります。そのバランスを取ったのがこの『年間1人当たり1社50万円』ということでしょう」

ここでさらに参加者から「海外の株式型クラウドファンディングには、どのような制限があるのか?」という質問があった。

大前氏によると、アメリカやイギリスの場合は、投資家の条件について厳しい制限があるとのこと。

「特にスタートアップの企業は投資判断がきわめて難しいため、投資家には資産額や投資経験の基準が定められており、アメリカやイギリスにおいては、必ずしも広く一般に開かれた投資手段ではありません。その点、日本では少額ではありますが多くの投資家が参加できるというメリットがあります。また、投資家に対する審査も不要なため、プラットフォーム事業者の負担が少ないという点も業界の発展のためには重要なポイントとなります。」

今後、金額の拡大が図られるかどうかは、「業界の成長度合いや実態に応じてということになるだろう」という見解であった。

今回のセミナーは、金融型クラウドファンディングの概要の説明ということで、主に初心者向けの内容であったが、金融リテラシーの高い参加者や、すでに貸付型クラウドファンディングで運用をしている個人投資家も参加していたため、専門的な質問も飛び出した。最新の投資手法に関心のある個人投資家がクラウドファンディングに注目し、サービスの拡大を期待している様子が見受けられた。

view

 

 

Ohara Nana

クラウドバンクサポーター。金融機関での勤務経験があり、最新の金融イノベーションについて研究中。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です