大塚家具お家騒動「配当ばらまき」について振り返る


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大塚家具の定時株主総会が2015年3月27日開かれ、大塚久美子社長の続投が決まった。

大塚家具の内部では昨年から、経営陣は経営方針を巡り、久美子社長派と創業者で父の勝久氏派に分かれ、「お家騒動」を繰り広げていた。今回は一連の紛糾でみられた現象についてカイセツする。

経営方針を巡る父娘の争い

ことの発端は、2009年3月の取締役会が業績低迷を受けて、旧富士銀行(現:みずほ銀行)の久美子氏を社長に昇格させ、創業以来ずっと社長をしていた勝久氏を会長に据えたことに始まる。久美子氏は気軽に入り、見ることができるカジュアルな店舗づくりを試みて業績を好転させようとしたが、大塚家具の創業者であった勝久氏には経営方針に逆らうものに映り、取締役会で久美子氏の解任を提案し、可決された。その後、勝久氏が社長に復帰し「高額商品路線」で客層を掴もうとしたが、2014年12月期の営業損益4億200万円の赤字を計上。4年ぶりの赤字に転落した。これを受けた取締役会は久美子氏の社長復帰を決定した。今回の定時株主総会では、それを不服とした勝久氏が久美子氏を外した取締役の選任を求める株主提案を提出したことで、両氏のどちらに軍配が上がるのか、注目されていた。

株主囲い込み狙い、配当引き上げ合戦、同社株は連日のストップ高

定時株主総会の直前、久美子氏と勝久氏の間で激しい争いが繰り広げられていた。議決権の囲い追い込みをねらい、両者は増配案でも対立していた。社長側は2015年12月期の配当について「前期比倍増の80円」とし、会長側は今後3年間「3倍の120円」とする方針を示していた。配当利回りなどを期待した投資家の買いにより、3月2日~3日は連続でストップ高となったという。

良好な財務体質と投資有価証券、配当は財務を圧迫しない

一方で、配当引き上げ合戦となっているが、経営面には影響がないのかという疑問が出ている。

これについて、ニュースサイトのTHE PAGEは2015年3月11日の記事で、現在支払う必要がある株式は約1850株あると指摘。同社株の配当額を2倍にすれば14億8000万円、3倍にすれば22億2000万円必要であると計算し、2013年12月期の当期利益も8億5000万円しかなかったことから、同社の今の収益力では利益から配当を実施することは困難だと分析した。

しかし記事では、大塚家具は自己資本比率74%と、財務体質は良好であると指摘。投資有価証券売却による120億円に加え、投資有価証券70億円分を保持していると述べた上で、これらを取り崩していけば、当分の間は高い配当も維持することが可能だとし、久美子氏と勝久氏の両陣営は預金を切り崩しても経営権がほしいのだと結論付けた。

本当に社内紛争は収束したのか、今後の勝久氏の動きに注目

ただ株式配当額のアップには別の意味も込められているという見方をもある。

操業者の勝久氏の株式保有率は全体の約18%以上だ。今回、久美子氏の続投が決定したため、社長案の配当2倍が採用されることになり、勝久氏は2億8000万円を受け取ることになるという。これは「娘から父への手切れ金」の側面があるのではないか、と分析する声も出ている。

大塚家具が4月1日に発表した3月の月次売上高は前年同月と比べて37.8%の大幅減を記録した。久美子氏と勝久氏の争いにより、来店客が落ち込んだことが売上減に影響したようだ。長らく続いた社内紛争は完全に収束したといえるのだろうか。勝久氏は前述したように、同社株全体の18%以上の有しており、影響力が根強い。大塚久美子新社長が社内のこうした反対勢力をいかに抑えて経営にまい進するのか、今後が注目される。

ライター 藤川健太郎


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