東京国際ブックフェアで発見! 出版に特化したクラウドファンディングが順調な滑り出しだそうです


7月2日から5日まで東京ビッグサイトで開かれていた、東京国際ブックフェアに行ってみました。
本来の出版社のブースは、これまでよくあった本の特売セール売り場が縮小気味で、ビジネスデイはちょっと閑散とした雰囲気。ただ、凸版と大日本印刷(DNP)の2大印刷所は、大きなブースにさまざまなサービスがてんこ盛り状態で、力の入った様子が伺えました。

そんなDNPのブースでひとつ、なぜか紹介されていたクラウドファンディング事業。2日には、サイトを運営する株式会社ワンモア代表の沼田健彦さんによるセミナーも開催されていました。

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今回は、クラウドファンディングつながりでこちらを紹介します!

本作りにかかわるさまざまなことを応援できる

出版特化型として2013年12月からスタートしているクラウドファンディングサイト「ミライブックスファンド」。
実際にどんな案件があるのかというと、名古屋を中心に活動しているアイドルグループの衣装や写真撮影費を支援し写真集を制作する、クラウドソーシングビジネスを手がけるランサーズがフリーランスのリアルスタイル本を出版する、作家の浅見帆帆子さんの海外電子書籍化プロジェクトを応援する……といったもの。

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確かに本を出版するのはお金がかかる。でも、そのわりに儲からない(笑)。
相当売れる見込みがないと企画が通らない昨今、まずお金を集めて本を作るというのはいいかもしれません。

が、よくよく案件を見ていると、妙に募集金額が小さいものが……。
えっ、目標金額15万? これで本が出せるの??
……と思ったら、この案件は、ウェブ連載する近未来サッカー小説の挿絵を描いてもらうためのイラストレーターさんのギャラと宣伝費だけをまかなうためのものでした(ちなみに、最終的には28万円以上集まっていました)。

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DNPで事業を担当する石川冴子さんによると、資金調達の目的は1冊丸ごと作るためだけではなく、このようにイラスト代だけ、プロモーション費用だけ、といったように目的に応じて使ってもらっていいとのこと。
もちろん、300万集めて紙の本を作るプロジェクトもあれば、電子書籍だけ、オンデマンド印刷で1冊から本を作るのでもOKなのです。

印刷業界の雄・DNPとベンチャーのタッグ

これだけ柔軟なプロジェクトに、DNPさんはどんなふうにかかわっているかというと、まず営業先からの希望に対して企画立案やサポートを行い、ミライブックスファンドにつなげ、その後案件が成功したら、紙や電子での書籍化やプロモーション時に企画実行をサポートするスキームだそうです。
実際に案件となるかどうかは、モール型クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」をやっている運営会社のワンモアが(というか、ミライブックスファンドはそのサイトのひとつとして開設されている)、きちんと審査しているとのことで、今のところ9つの案件のうち失敗したのは1つだけ!

なかなかに人気を集めている様子ですが、まだサイトの歴史も新しく(知名度も低いはず)、起案者もプロジェクトの内容もばらばらなのに、何かお金が集まるヒケツはあるのでしょうか?

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順調に目標の300万を超える資金が集まり、実際に紙の本として出版されたランサーズのプロジェクト

30~40代男性向けが人気テーマ

実は、石川さんによると、クラウドファンディングサイトとしての知名度は、あまり案件が成功するかどうかに寄与しないらしいです。実際、クラウドファンディングサイトでは老舗の「CAMP FIRE」でも、ガンガン資金の集まっているプロジェクトに対して、そうでもないのがけっこうあります。つまり、プラットフォームとなるサイト自体よりも、その案件と起案者がどれだけたくさんの人の興味を引くか、ファンをつかめるか、ということで成功・失敗が決まるということです。
ちなみに、どんな案件が資金を集めやすいかというと、今のところこうしたクラウドファンディングに関心がある中心層である、30~40代男性が好みそうなテーマがオススメらしいです。なるほど、アイドル写真集のようなプロジェクトはぴったりですね。

本にかかわることだったら何でも相談に乗ってくれそうなこの事業、面白いお金の使い道がいろいろ考えられそうで、楽しみです。

本創 ひとみ

書籍編集者を経て、さまざまな分野で執筆・編集中。手がけている主な分野は、起業、マネー関連、医療、社会起業、(少し)ITなど。

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