ソーシャルレンディングとは?クラウドファンディングとの違いとそれぞれのメリットを解説


日々の値動き

少子高齢化による年金の受給開始年齢の遅れや減額が心配されている日本では、老後への備えや給与以外の収入源を確保するために、投資や資産運用を考える人が増えてきています。しかし、株やFXには、知識や日々の値動きへの注意が必要であり、損失を被るリスクが高いので注意しなければいけません。元本割れするリスクを考えると、躊躇してしまう人も多いかもしれません。

近年では手軽に「待つだけ」の資産運用がしたいという人たちを中心として、「ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)」の人気が高まっています。そこで、この記事ではソーシャルレンディングの概要やクラウドファンディングとの違い、それぞれのメリットなどについて解説します。

ソーシャルレンディングとは?

ソーシャルレンディング概要

ソーシャルレンディングとは、お金を運用したい個人投資家の資金を集めて、ファンドを通じてお金を借りたい企業に貸付けるサービスです。
個人投資家のお金をもとに企業に貸付けを行い、融資先企業から返済された元本と支払われた利息を、個人投資家へ償還・分配する仕組みとなっています。

ソーシャルレンディングはお金を必要とする「企業」、お金を出す「投資家」、両者を結びつける「ソーシャルレンディング事業者」の3者から成り立っています。ソーシャルレンディング事業者が企業から利息を受け取り、手数料を差し引いた金額を投資家へ分配する仕組みとなっています。

もともと、インターネットによる個人への融資方法として2005年にイギリスで登場し、その後、アメリカでもサービスが開始されました。日本でも2008年より個人向け融資のソーシャルレンディングサービスが提供されはじめましたが、2011年ごろから法人向けのサービスに移行していきました。

現在は、国内不動産関連の案件をはじめ、太陽光発電などの再生可能エネルギー事業や海外案件等、様々な案件が取り扱われています。

ソーシャルレンディングには、借り手企業と個人投資家の双方にメリットがあります。まずは、借り手企業の3つのメリットについて紹介していきます。

メリット

借り手企業の3つのメリット

短期の借入ができる

ソーシャルレンディングでは、銀行で敬遠される短期融資を取り扱うことが特徴のひとつです。人件費の高い銀行では、審査コストと見合わないこともあり、短期の融資に対してあまり積極的ではありません。しかし、ソーシャルレンディングでは、むしろ短期融資に積極的な事業者もあり、企業の短期間の資金需要に応えることができます。
また、銀行融資は審査結果が出るまでに時間を要し、資金的な体力がない中小企業は待っている間に運転資金が足りなくなるケースも珍しくありません。ソーシャルレンディングは、銀行から融資をうけるまでのつなぎ融資として活用できる点も魅力です。銀行より高金利であっても使い勝手のよい資金調達方法ということで、ソーシャルレンディングのニーズが高まっています。

審査内容に柔軟性がある

銀行で融資を受けようとする場合、企業が融資対象として決算書などの財務関連書類を提出し、細かい審査項目に則って審査されます。企業に対して融資を行うため、直近の財務状況によっては、融資を受けられない場合があります。
一方、一般的にソーシャルレンディングでは、借り手企業の財務情報や実績はもちろんのこと、融資対象である不動産や自然エネルギー発電所などプロジェクトの内容についても重視し審査されます。借り手企業の情報だけでなく、不動産の価値や開発により見込まれる収益、自然エネルギー発電所の売却価格などにより返済の可能性が高いと判断されれば、融資を受けられる可能性があります。

申込みから融資までが早い

ソーシャルレンディングは、銀行からの融資よりも比較的早く資金調達できることも選ばれる理由のひとつです。銀行で融資を申し込む場合は、決算書などの財務関連の資料を大量に用意・提出し、審査に時間がかかります。
一方、銀行と比べソーシャルレンディングは、不動産事業や太陽光発電所開発をはじめとした再生エネルギー発電所開発事業などのビジネスモデルへの専門性をもっていることから、スピーディーかつ正確性の高い意思決定を行うことができます。そのため、融資審査期間を短縮化することができます。
プロジェクトによっては、銀行の審査や融資実行を待つ間に機会損失が生まれてしまう可能性もあるため、ソーシャルレンディングは有効な方法にもなります。

個人投資家の3つのメリット

ソーシャルレンディングを利用する借り手側のメリットについてご理解いただけたでしょうか。続いて、投資する個人投資家側のメリットを3つ紹介していきます。

1万円程度からはじめられる

投資と聞くと「お金をたくさん持っている人がするもの」「まとまったお金がないとできない」というイメージを持っているかもしれません。しかし、ソーシャルレンディングは、お金を運用したい個人投資家から少額ずつ資金を集めて、ファンドを通じて大口化し、企業に貸付ける仕組みです。ソーシャルレンディング事業者によっては1万円から投資できる場合があり、個人の資産運用として比較的取り組みやすくなっています。

リスクを抑えることができる

ソーシャルレンディング事業者によっては、ファンド資金の融資先に担保を設定することにより、リスクを抑えた投資スキームとなっているファンドが多くあります。担保を処分することで、融資先がデフォルト(貸し倒れ)となった場合でも、融資額の全額または一部を回収することができます。
ソーシャルレンディングの最大のリスクであるデフォルトが発生した場合を想定し、担保の有無、さらに担保評価額(売却時等の想定金額)などは必ずチェックしましょう。
参考:ソーシャルレンディングで知っておくべき「担保」とは

初心者もベテランも差がつかない

ソーシャルレンディングの特徴としては「日々の値動きのない金融商品である」点も挙げられます。株式やFXは市場の状況に合わせて価格が変わるため、こまめに相場をチェックしなければいけません。また、株式やFXなどは自分で購入や決済のタイミングを考えて取引しなくてはいけないため、専門的な知識がない素人では利益を上げることは難しいでしょう。
それに対してソーシャルレンディングでは、一度投資してしまえば、あとは運用が終わるまで待つだけです。投資初心者が不利、ベテランが有利というような、知識や経験の差による利益の多寡はありません。値動きをチェックすることなく、安定した利益が見込めるので投資初心者でも取り組みやすいでしょう。

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディング

ソーシャルレンディングは「融資型クラウドファンディング」と呼ばれることもあり、クラウドファンディングの一種になります。

クラウドファンディングとは、「群衆(crowd)」と「資金調達(funding)」を掛け合わせた造語です。その名のとおり、不特定多数の群衆から資金調達することを目的にしています。具体的には、実現したいアイデアや活動を起案者(個人や企業など)が支援者(投資家など)に提案し、応援したいと思った人が資金提供する仕組みです。

一口にクラウドファンディングといっても「寄付型」、「購入型」、そしてソーシャルレンディングが含まれる「投資型」の3タイプに分かれており、それぞれ特徴が異なります。

起案者と支援者のメリット【タイプ別】

上述したように、クラウドファンディングには大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴や得られるリターンが異なるので、自分の目的に応じたタイプを利用するのがポイントです。

タイプ 仕組み・特徴 リターン メリット
起案者 利用者
寄付型 ・主に社会貢献活動に従事する人が資金調達のために利用するタイプ。

・多くの人の役に立つことを主目的にしているので基本的にリターンはない。

・ただし、寄付する団体によっては寄付金控除が使えて
支援者の所得税や住民税の節税となる場合がある。

なし ・資金提供者へのリターンを気にせず、活動することができる。 ・気軽に社会貢献活動に参加できる

・少額からでも参加しやすい

・寄付金控除が使える場合がある

購入型 ・新商品の開発や新しいサービスを実施したくても
手持ち資金がない個人事業主や中小企業が資金集めのために利用するタイプ。・無事に資金調達できて目的を達成したときは、支援者に対して
開発した商品や新しいサービスを優先的に受ける権利などを与えるケースが多い。
サービス・商品 ・手元に資金がなくても新商品の開発や新しいサービスを開始できる。

・銀行融資よりも多額の支援を受けられる可能性がある

・自分の気に入った商品やサービスを実際に作りあげる満足感を得られる

・少額からでも参加しやすい

・一般消費者に先駆けて魅力的な商品やサービスを利用できる場合もある

投資型 ・企業が新しい事業の立ち上げの際に、資金調達をするタイプ。

・ファンド型・不動産型・株式投資型・融資型の4つがある。

・支援者はキャピタルゲインや返済の利息を分配金として得られる仕組み。

分配金 ・銀行融資よりも多額の支援を受けられる可能性がある。

・企業や事業をPRすることができる。

・少額からでも参加しやすい

・金銭的リターンを得られる

・個人が通常参加できないような投資案件にも参加できる

 

それぞれの利用目的の違いとは?

寄付型や購入型のクラウドファンディングは、環境問題や発展途上国への支援などの社会貢献や、新商品や新サービスの開発・提供などの活動自体に賛同し、プロジェクトを成功させるための支援を目的として活用されます。一方、ソーシャルレンディングをはじめとした投資型クラウドファンディングは、「投資型」とついているように、投資することで、キャピタルゲインや返済による利息の分配など、利用者自身の資金を増やす目的で活用されます。

「お金を必要としている人や企業などに、不特定多数の個人が出資する」という点においては、「寄付型」、「購入型」、「投資型」の3タイプとも同じ側面を持ちますが、利用者の目的が投資であるという点は、投資型クラウドファンディングがもつ、寄付型や購入型との大きな違いといえるでしょう。

投資を始めるならソーシャルレンディングから

投資をはじめてみたいけど、忙しくて時間がない方や、投資初心者で不安がある方は、クラウドファンディングで資産運用ができる、ソーシャルレンディングから始めてみるのはいかがでしょうか。

クラウドバンクは、融資元本回収率100%(2020年9月1日時点)、実績平均利回り7.09%(2020年3月末までの3年間に運用終了したファンド実績値)と高い実績をもつソーシャルレンディング事業者です。
クラウドバンクのファンドは、プロの目を通して審査された国内外の不動産や、再生エネルギー事業、上場企業への支援など様々なファンドをご用意しております。
また、最低投資金額を1万円に設定しているので、少額で投資案件へ参加することができます。
ぜひご検討ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。