ソーシャルレンディングで知っておくべき「担保」とは


trans - ソーシャルレンディングで知っておくべき「担保」とは

ソーシャルレンディングは、企業に融資を行い、企業から支払われた利息から個人はリターンとして分配金を受け取る仕組みである以上、融資先企業が倒産した場合など、融資元本が回収できないリスクがあります。

融資元本を回収できないリスクを抑えるうえで、「担保」の有無が重要な要素の一つとなります。

この記事では、ソーシャルレンディングで資産を運用するうえで欠かせない「担保」について説明いたします。

そもそも担保とは?

担保とは、債務者が資金を返済できない場合に備えて、あらかじめ債権者が弁済確保のために、債務者に提供させる事物のことを指します。
土地を担保に設定した場合、債務者が債務不履行となったときは、担保となっている土地を売却することで、融資元本や利息を回収することができる可能性があります。

担保とは債権者にとって一種の保険のように考えることもできます。

ソーシャルレンディングには、ファンド資金の融資先に担保を設定することにより、リスクを抑えた投資スキームとなっているファンドが多くあります。

担保の種類:物的担保

担保は「物的担保」と「人的担保」の2つに分類することができます。

物的担保は、物や権利といった特定の財産で、債権を保全することです。
ソーシャルレンディングでは、ファンド資金の融資先に不動産や債権を担保として設定しているケースが多くあります。

不動産担保の取得方法として、抵当権などが利用されています。
抵当権とは、債務者が債務不履行となった時、債権者は融資元本や利息を回収するために不動産を担保にしておける権利のことを指します。

抵当権は、1つの物や権利に対して、複数設定することができます。複数設定する場合、早く登記した者から優先順位が付けられます。

第一順位であれば、優先して弁済を受けることができます。第二順位であれば、第一順位の弁済が終了した後に、弁済されることとなります。
仮に担保の売却額が5,000万円で、一番抵当権者の債権額が4,000万円、二番抵当権の債権額が3,000万円の場合、一番抵当権者は4,000万円受け取ることができますが、二番抵当権は1,000万円しか受け取ることができません。

リスクを抑えた資産運用を意識するのであれば、第二順位などの後順位ではなく、第一順位の抵当権が設定されている融資にて運用されるファンドに投資することをおすすめいたします。

担保の種類:人的担保

人的担保とは、債務者以外の第三者と保証契約を交わし、保証人や連帯保証人の所有する財産で、債権を保全するものです。
債務者が債務を履行できない場合、債権者は保証人や連帯保証人に対して、その債務の支払いを請求することができます。

ソーシャルレンディングでは、融資先企業の代表者や親会社が保証人となっている融資にて運用されるファンドが主となっています。
代表者や親会社の返済能力が低ければ、当然、債務の全額の弁済は難しいため、人的担保だけではなく、物的担保も設定されている融資にて運用されるファンドへの投資を推奨いたします。

担保物の力を示す「LTV」とは

担保物の力を表す指標として、LTV(Loan To Value)が用いられます。
債務者が債務履行できず、担保物を売却することとなっても、担保物に価値がなければ融資元本を回収することはできません。そのため、担保物の力を示すLTVの考えを理解することは重要となります。

LTVの一般的な計算式は次の通りです。

LTV=貸付金額÷担保評価額

LTVは小さいほど債務不履行時の回収可能性が高くなるため、安全性が高いと考えることができます。

 

 

ソーシャルレンディングには、融資先の倒産リスクがある以上、担保などできちんとリスクヘッジされているか見極めることが重要です。
ソーシャルレンディングで資産運用を行う場合は、利回りだけに注目するのではなく、担保の有無、抵当権の順位やLTVもチェックしましょう。